日本華商総会

蔡英文総統、任期中最後の新年談話を発表

蔡英文総統、任期中最後の新年談話を発表

記事引用:台北駐日経済文化代表処

蔡英文総統、任期中最後の新年談話を発表


 蔡英文総統は1日午前、総統府大礼堂(大ホール)において、任期中最後の「新年の談話」を発表した。蔡総統は、「2期8年の政権下で台湾のために行ったことは、すべて最優先事項で、総統としてやるべきことだった。そこにあるのは責任だけで、驕(おご)りなどはない」と振り返った。以下は談話の内容及びメディアの質問に対する回答などをまとめたもの。


 今年度の国防予算総額は過去最高の6,007億台湾元(約2兆7,600億日本円)に達した。平和には善意とさらに重要な実力が必要だ。自国を守る決意を示すことは、国際社会が共同で台湾を守り、台湾海峡の平和と安定を維持する際の最も重要な支えとなるものだ。


 この8年間、「前瞻基礎建設(将来を見据えたインフラ建設)」、「5+2産業イノベーション計画」、「六大核心戦略産業」の推進を通して、投資環境の改善、台湾経済の体質強化、都市部と農村部の格差縮小が実現し、生活の質が向上した。


 2023年のGDP規模は、過去を大きく上回る23兆台湾元(約106兆日本円)を突破した。台湾の株価指数は、2016年の総統就任日の8,131ポイントから、2023年最後の取引日までに17,930ポイントに達し、新記録を樹立しただけでなく、香港ハンセン株価指数も上回った。台湾はすでに世界で第21位の経済大国で、2023年度「IMD世界競争力年鑑」によると台湾の世界競争力は第6位まで向上した。


 また、電力予備率については、総統就任時にわずか1.64%だった時代に別れを告げることができた。導入を進めてきたグリーンエネルギーによる電力の年間総発電量は、すでに原子力発電を上回っているが、エネルギー転換は速やかに進める必要がある。台湾は引き続き、エネルギーレジリエンスを強化し、COP28で設定された2030年までに再生可能エネルギー容量を3倍、エネルギー効率を2倍に、2050年にネット・ゼロ達成という国際目標に沿って邁進しなければならない。


 台湾のすべての市民に感謝している。この8年間、多くの困難を共に乗り越えてきた。あらゆる困難を乗り越え、台湾を国際社会の一員としてアピールできた。中華民国総統を務められたことは、最高の栄誉だ。


 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、公営住宅の整備やグリーンエネルギー開発など、もっと早く解決できなかったことは心残りだ。さらに、年金改革や婚姻の平等など、いくつかの事柄についての社会的コミュニケーションがさらに改善できたはずだったが、台湾の人々の理解と寛容に感謝している。


 最後に改めて言いたいのは、蔡英文は決して完璧な人間ではなくミスも犯すということだ。しかし、うまくできなかったとしても反省し、すぐに調整して世論に対応してきた。自分の知名度は重要ではない。台湾のプレゼンスを高めることこそが最も重要なことだ。


Taiwan Today:2024年1月2日


写真提供:中華民国総統府ニュースサイトより
 蔡英文総統は1日に新年の談話を発表、この8年間、多くの困難を共に乗り越えてきた台湾の人々に謝意を表し、中華民国総統を務められたことは最高の栄誉だと語った。

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