日本華商総会

謝長廷・駐日代表 2022年元旦祝辞

 明けましておめでとうございます。新年を迎え、皆様がますますご清栄でありますことをお慶び申し上げます。


 昨年も世界は新型コロナウイルス感染症の影響が続き、台湾と日本の人的往来も制限されたままの一年でしたが、感染状況もようやく落ち着き、台湾も日本も社会活動が戻りつつあります。今年こそは再び自由な往来ができるようになることを期待しています。


 昨年、台湾で新型コロナ感染が急拡大したとき、日本政府は6回にわたり合計420万回分余りの友情のワクチンを台湾に提供し、これは台湾にとり「恵みの雨」となりました。台湾もマスクや酸素濃縮器などの医療物資を「お返し」として日本に届けました。このように台日間の「善の循環」により、両国の友情はますます深まっています。


 今年は新型コロナからの克服ならびにコロナ後の世界の復興について、すべての国々が協力していかなければなりません。しかし、台湾は中国の妨害により世界保健機関(WHO)や国連関係機関などに参加できない状態にあります。そのような中、日本では台湾のWHO参加を支持する決議が次々と採択され、これまでに37都道府県議会が同決議を可決し、昨年6月には参議院が台湾のWHO参加支持決議を全会一致で可決しました。日本の皆様の支持に感謝を申し上げるとともに、今年は参加実現に向けて引き続き共に行動していきたいと存じます。


 民主主義社会である日本は地方レベルの草の根の民意が自然な形で国レベルにも反映されます。これは私が地方交流を重視している最大の理由です。これまで台日地方自治体間には140件の友好協定が結ばれ、この半数以上は私の在任中に締結されたものです。昨年は鹿児島県、山口県、京都市などが台湾の地方自治体とオンラインで協定締結式を行い、往来が不自由な中でも交流を積極的に深めています。また、「日台交流サミットin神戸」で採択された「神戸宣言」では、CPTPP(環太平洋パートナーシップ協定に関する包括的及び先進的な協定)に加入申請した台湾の加盟に向けて日本による働きかけを強化することが提言されました。先月末には、市町村長レベルの「日台共栄首長連盟」の設立大会が開催され、今後ますます地方から台湾との強固な関係構築に向けて積極的に動き出すことになります。


 これらの基礎を踏まえ、今年は台日のさまざまなレベルで実際の相互訪問を再開し、観光、経済、文化、教育などに加え、防疫、防災、安全保障などについても具体的な交流協力を推進してまいりたいと存じます。


 このような動きは、未来の台日友好関係の発展に寄与することと確信しています。台湾と日本は自由、民主主義、人権を重視する共通の価値観を持つ信頼できる友人です。100年先を見据え、今後も協力を深め、新しい時代を共に切り開いていけることを期待しています。本年が皆様にとり、よい一年となりますようお祝い申し上げます。


 【台北駐日経済文化代表処 2022年元旦】


記事引用:台北駐日経済文化代表処

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