日本華商総会

謝長廷・駐日代表 2021年元旦祝辞

 明けましておめでとうございます。新年を迎え、皆様がますますご清栄でありますことをお慶び申し上げます。


 昨年は、新型コロナウイルス感染症の猛威により、開催されるはずだった東京オリンピック・パラリンピックも延期されました。世界は新型コロナの感染対策に追われ、冬を迎えて感染第三波が押し寄せており、日本も深刻な状況が続いています。ワクチンの普及や特効薬の実用化まで感染リスクが高い状態が続きますが、世界が手を取り合って協力し、一日も早くウイルスとの戦いに勝利し、今夏こそ東京五輪が盛大に開催できることを期待しています。


 新型コロナの感染封じ込めに成功した台湾は、防疫の分野においても「Taiwan Can Help」の精神で積極的に貢献していくことを望んでいます。台湾が国際社会と防疫分野の協力を強化していくことは、今後世界が新型コロナ対策で団結して取り組む上でもメリットがあると確信しています。


 しかし世界の人々の健康のためのプラットフォームである世界保健機関(WHO)が中国の圧力を受け、台湾の参加を不当に排除していることは、台湾が世界各国と同時に情報共有できないだけでなく、世界にとっても損失であるといえます。


 これについて、日本政府および日華議員懇談会をはじめとする国会議員の先生方、並びに日本各界の方々の台湾のWHO参加に対する力強いご支持に改めて感謝申し上げます。


 国際情勢は急速に変化していますが、今後も台湾は自由、民主主義、人権などの価値観を共有する日本や米国、欧州などの国々と緊密に連携しながら、インド太平洋地域の平和と繁栄に貢献していくことを望んでいます。


 コロナ後の経済をどのように立て直していくかは、世界各国共通の課題であり、日本が主導するCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)は極めて重要です。台湾と日本の経済関係は極めて密接であり、台日間の貿易は工業製品および農産品のいずれも補完関係が確立されており、CPTPPにより関税減免やビジネス上の障壁が緩和されることは、双方にメリットがあります。台湾は日本の支持を得ながらCPTPPへの参加を望んでいます。


 コロナ禍の影響で、台湾と日本の観光往来ができない状態が続いていますが、台日友好の絆は変わりません。昨年は台湾の地方都市を紹介するテレビ番組放映や、オンラインによる鉄道や博物館の紹介、映画や書籍のPRなど、映像やインターネットを駆使した新しい試みにより交流の裾野はさらに拡がり、日本の方々からも大きな反響をいただきました。感染状況が落ち着きましたら、ぜひ再び台湾にお越しいただけますよう、その日を楽しみに引き続き友情を温めていきましょう。


 皆様のご健康を祈念し、本年が皆様にとり、よい一年となりますようお祝い申し上げます。


 【台北駐日経済文化代表処 2021年元旦】


記事引用:台北駐日経済文化代表処

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